「春の朝、目覚めのツボ」
2025/03/25
「春の朝、目覚めのツボ」
春の朝は、いつもより少しぼんやりする。
目覚ましの音が鳴り響くけれど、なかなか布団から出られない。
「昨日、ちゃんと寝たはずなのに……」
冬が終わり、暖かくなってきたはずなのに、どうも体が重い。頭もすっきりしない。
仕事や家事が待っているのに、もう少しこのままでいたい——そう思いながら、ベッドの上で伸びをした。
すると、不意にスマホの通知が目に入った。
「春の不調を整えるツボ押し」
——こんな時こそ、ツボを試してみるのもいいかもしれない。
私はゆっくりと 「百会(ひゃくえ)」 に指を当てた。
頭のてっぺんにあるこのツボは、気の巡りをよくし、ぼんやりした頭をすっきりさせてくれるらしい。
軽く押してみると、じんわりとした心地よさが広がる。
次に 「足三里(あしさんり)」。
ひざ下にあるこのツボは、昔から体の活力を高めるツボとして有名だ。
親指で少し強めに押すと、体の奥からエネルギーが湧いてくるような感覚がする。
深呼吸をしながら、もう一度伸びをする。
さっきまでのだるさが、少しずつ晴れていくのを感じた。
「よし、今日も頑張ろう」
ベッドから起き上がると、窓の外には春の光が優しく差し込んでいた。
#ツボ小説